
3. 成 果
3−1 まとめ
(1)機関性能 目的及び背景にて記述した低速域のトルク不足、及び低回転高負荷時の高排気濃度に対し今回試作した2段過給装置は十分な効果が出せた。 ○低速域トルク:1100rpm〜2000rpmにて大幅なトルクUPを達成 目標値1500rpmにおけるトルク値50%UPは十分達成 ○排気煙濃度:1500rpm〜2500rpmにおいて大幅に低減 (2)航走性能 低速域を1段目過給機のみ作動させることにより過給圧、及び機関回転の止ち上がり時間は大幅に短縮されているがテスト艇の加速タイムは思った程短縮できていない。これは過給機切替時過給圧落ち込み後の再過給にてロスが大きく加速タイムに結びついていないと推定される。今回の航走テストの中でも制御特性を変更しながらトライしたが台上にて適合した特性以上の条件は見つけられなかった。排気、給気バルブ開時のトルク落ち込み(過給圧落ち込み)を小さくすることが加速タイムの向上につながると思われる。 3−2 今後の課題
今回試作したシステムは小型漁船用主機関の低速高負荷時の排気煙濃度低減と言う目的に対しては十分達成する事ができた。しかしながら小型レジャー船用主機関に要求されているプレーニング性能の改善に対しては過給機望替時のトルク落ち込み(過給圧落ち込み)対応が必要で有り、今回のシステムの中では対応が困難と考える。システムの見直し、新たなデバイスの追加により ○給気切替バルブの開閉方法の検討 ○2段目過給機の助走回転UPの方法検討 等の更なる検討が必要である。
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